こんなところにモニュメント!?武蔵野市のモニュメントを見える化してみた

文責:江口善宣

はじめに

「あれ、こんなところにモニュメントあったっけ…?」

街を散歩しているとたまに思いがけない発見をすることがありますよね。

普段何気なく目にするモニュメント。みなさんは、武蔵野市にどのようなモニュメントが建っているかご存知でしょうか。「吉祥寺駅前のはな子の像!」「そういえば市役所前にあったような…」など、いくつか思い当たるものがあるかもしれません。

しかし、中にはあまり知られていないもの、埋もれてしまっているものも…。

それもそのはず、「武蔵野市 モニュメント」などで検索しても、なかなか情報が出てこない…。武蔵野市にどのようなモニュメントがあるのか知ろうとしても知ることができないというのが現状なのです。

そこで私たちは、アーカイブが十分になされているとはいえない武蔵野市のモニュメントの調査を行うことにしました。場所や制作者、設置背景などを調査したうえで、銅像・パブリックアート等をマッピングし、武蔵野市のモニュメントを見える化することを目指しました。

0. 目次

1. 武蔵野市のモニュメントを調査してみた
2. 武蔵野市のモニュメントをマップ化してみた
3. 武蔵野市モニュメントギャラリー

1. 武蔵野市のモニュメントを調査してみた

1-1 調査にいたるまで

銅像やパブリックアートなどのモニュメントは、景観の一部として武蔵野市の文化の一端を担っています。私たちは、モニュメントの作者や設立経緯などを調べれば、武蔵野市の歴史や文化を紐解くことができるかもしれないと考えました。

モニュメントのなかには、設置されたはいいものの、その後放置され、市民の方々にその存在を知られていないものも存在します。それらも含めてモニュメントを今後どのようにしていくか、一度考えてみる必要があるのではないでしょうか。

モニュメントの今後を考えるためには、そもそもどのようなモニュメントが存在し、現在どのような状況なのかを知らなければなりません。

しかし、残念ながら今のところモニュメントの情報を得るのはなかなか難しいような状況です。

私たちはこのような状況を踏まえ、まず市民のみなさんがモニュメントについて「知る」ことができるように、モニュメントの情報をアーカイブすることにしました。

1-2 調査概要

調査をするにあたり、まずは自力でモニュメントの情報を得ようと試みました。しかし、検索してもなかなか情報が出てきません。

小林真理教授の助言もあり、武蔵野市役所市民活動推進課の柴田直子さんと武蔵野市立吉祥寺美術館の学芸員・滋野佳美さんにご協力いただくことにしました。

お二人から市役所周辺のモニュメントをメインに、いくつかのモニュメントの場所が掲載された地図をいただき、私たちはこの地図をもとに実地調査を行うことにしました。

武蔵野市モニュメントマップ

1-3 いざ、まちへ! 2022年1月21日

市役所の方からいただいたモニュメントマップを片手に、実際にモニュメントを見てまわりました。

①吉祥寺駅北口の「はな子」像からスタート!

②0123吉祥寺にて発見したモニュメント「星の贈り物」(詳細は3-4を参照)

③保健センターの壁面レリーフを見学。作品がパンフレットなどで隠れてしまっていました…

小畠廣志「家族」 保健センター1階壁面レリーフ

④市役所・総合体育館付近に到着。たくさんモニュメントがありました。

小畠廣志「こども平和像」 総合体育館前

⑤三鷹駅北口の「世界連邦平和像」を見てゴール!

北村西望「世界連邦平和像」三鷹駅北口ロータリー

1-4 実地調査を終えて

数時間の実地調査でマップに掲載されていたモニュメントをほぼ制覇。マップに掲載されていなかったモニュメントに偶然出くわすこともあり、モニュメントを見てまわることの楽しさを味わうことができました。

モニュメントのなかには、周りに草が生い茂っていたり、枯れ葉に埋もれてしまっていたりするものもありました。

これらについて今後どのようにしていくべきなのでしょうか。また、モニュメントは今後どのようになっていくのでしょうか。今回の調査やアーカイブが考えるきっかけになれば嬉しいです。

2. 武蔵野市モニュメントマップ

調査の中でわかった情報をもとに、武蔵野市のモニュメントを地図に「見える化」してみました。この地図を見ながら実際にモニュメントを見てまわってみませんか。もしかすると、私たちが見つけることができなかったモニュメントに偶然出会うかもしれません。

3. 武蔵野市モニュメントギャラリー

武蔵野市には意外といたるところにモニュメントがあります。本章では、私たちが調査で発見したモニュメントの写真や概要を掲載します。

調査を行うなかで、武蔵野市ゆかりの彫刻家である北村西望氏・小畠廣志氏の作品は複数存在することがわかりました。そこで、北村氏・小畠氏の作品はお二人の人生とともに別の記事にまとめましたのでそちらをご覧ください。

▶︎北村西望氏のモニュメントに関する記事はこちら
▶︎小畠廣志氏のモニュメントに関する記事はこちら

また、武蔵野市のモニュメントとして吉祥寺駅北口の「はな子」像を忘れるわけにはいきません。「はな子」像についても別の記事にまとめましたのでそちらをご覧ください。

▶︎「はな子」像に関する記事はこちら

それでは、武蔵野市のモニュメントを写真とともに見ていくこととしましょう!

3-1「女」朝倉響子

 <概要>

・制作年:1970年
・設置場所:武蔵野市立中央図書館
・ブロンズ製

3-2 「生きる」 北島一夫

<概要>
・制作年:1972年
・設置年:1986年
・設置場所:武蔵野市役所
・石製

3-3 「連奏」 倉田光太郎

<概要>
・制作年:1989年
・設置場所:武蔵野市立武蔵野総合体育館
・鉄製
・像の解説板には次のような説明が書かれています。

無垢の耐候性鋼材の二本の柱で健全な肉体と健全な精神を表現すると共に、スポーツを通じて培う人の和を力強く表したものです。

平成元年11月 倉田光太郎

3-4 「星の贈り物」 大平和正

<概要>
・制作年:不詳
・設置場所:武蔵野市立0123吉祥寺
・石、ブロンズ、木、鉄製

3-5 「ここからアンダンテ」 赤川政由

<概要>
・制作年:1992年
・設置場所:武蔵境駅北口 市政センター横広場

みなさんはこの像をみてどのように感じたでしょうか。「草すごいな…」と感じませんか? 草に覆われすぎていて存在感が薄くなってしまっていました。

「草むしりして綺麗にしてみたいな」と思った私たちは、実際に清掃活動をすることにしました。清掃活動に関する記事はこちらをご覧ください。

3-6 「ユメノタネ ーハコブ・マク・ハルー」 カトウチカ

<概要>
・制作年:2005年
・設置場所:武蔵野市立大野田小学校東門
・新校舎の完成に合わせて学校のシンボルとして設置されたそうです。(市報むさしの 2005年2月15日号より)
・像の解説板には次のような説明が書かれています。

この作品は3年生とのワークショップを元に制作されました。

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